過去のコンサート動画④（ヴァイオリン） | 出演コンサートやコンクール、埼玉のヴァイオリン教室についてご紹介しております

弦楽四重奏や室内楽、オーケストラの動画が多かったのでたまにはソロの動画も。

今回はドビュッシーのヴァイオリン・ソナタです。

ドビュッシーの音楽は、従来の調性感覚にとらわれず、独自の調性感覚を持っているとされています。このヴァイオリンソナタも同様で、ヴァイオリンとピアノが独立した旋律を奏でながらも、緻密な和声や和音の連結によって、すごく特徴的な響きを生み出しています。

また従来の拍子にとらわれず、自由なリズム感覚が採用されていて、特に、第2楽章は、フランスの詩人ポール・ヴェルレーヌの詩『秋の詩』に基づいた即興的な夢想曲であり、自由なリズム感覚が顕著に現れています。

この頃のドビュッシーは、すでに癌におかされており、彼自身もそれを自覚しながらの作曲でした。

幻想の中で何かを求め、そして一瞬覚醒し、ふたたび彷徨い始めるような不安定さが全体を支配しています。しかしその精神的な不安定さ、狂気はとてもロジカルに構築されている作品です。

彼の遺作となった作品で、このロジカルな狂気が魅力の作品だと思います。

大好きです（笑）