コンクールの審査でした(ヴァイオリン)

query_builder 2026/07/05
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今日はレッスンを終えた後、コンクールの審査へ行ってきました。


夏が近づくと、「今年もコンクールの季節がやってきたな」と感じます(厳密には、冬にもコンクールはあり、今年最初のコンクール審査ではありませんでしたが)。

演奏者として参加していた頃も、そして今のように審査員として関わるようになってからも、この時期ならではの空気があります。



今日は小学生から大学生まで、幅広い年代の演奏を聴かせていただきました。


毎年感じることですが、皆さん本当によく準備をされています。

技術的にも音楽的にもよく準備してきていますし、「自分が同じくらいの年齢だった頃、ここまで弾けていただろうか」と感心してしまう場面が何度もありました(そもそも自分は小学生のときに”コンクール”を受けたことはありません、”オーディション”はありましたが)。


だからこそ、審査をするたびに考えさせられることがあります。


それは、年齢や自身の経験をどこまで評価に反映させるべきなのか、ということです。


例えば小学一年生と高校三年生では、当然ながら求められるものは違います。「その年齢にしてはよく弾けている」という視点は、無視することはできません。


さらに、自分自身の経験も少なからず影響します。


「自分がこの年齢だった頃はどうだっただろう。」


「この曲を弾いたとき、どのくらい苦労しただろう。」


そんなことを自然と考えてしまいます。


あるいは、「もし今、自分がこの曲を本番で弾くとしたら、どのくらいの完成度で演奏できるだろう」と想像することもあります。


その作品の難易度や難所が分かるだけに、「ここまで仕上げてきたのだから」と共感してしまい、評価が少し甘くなりそうになることもあります。



本来、審査はできる限りニュートラルであるべきです。


しかし、その「ニュートラル」とは何なのでしょうか。


一人ひとりの背景や年齢、経験を考慮すれば公平なのでしょうか。

何かしらの軸がなければ、評価基準がブレてしまうかもしれません。


だからこそ、毎回悩みながら、一人ひとりの演奏と真剣に向き合っています。


また、コメントとして改善点やアドバイスを書くたびに、


「他人にそんなことを書いて、自分は本当にできるのか。」


と、自分自身にも同じ問いをいつも投げかけています。


これは普段のレッスンでも同じです。


当たり前ですが、教える立場だからといって、自分が完璧だとは思っていません。

だからこそ、「できていない」と指摘するだけではなく、「こうするともっと良くなる」という方向で言葉を選びたいといつも思っています。

レッスンであれば、その後も一緒に時間をかけて改善していくことができます。


しかしコンクールは違います。


一度限りの演奏を聴き、その場で評価をしなければなりません。

だからこそ、その短いコメントの中に、少しでも今後の成長につながるヒントを残せたらと思っています。


審査員同士で細かな審査基準について話す機会は、あまりありません。

一度、他の先生方の考えも伺ってみたいとも思います。


そもそも、コンクールについては昔からさまざまな意見があります。


「音楽は競うものではない」

「順位を付けるべきではない。」


そのような議論は昔から繰り返されてきました。

実際、コンクールを一度も受けることなく第一線で活躍している素晴らしい演奏家もたくさんいらっしゃいます。


その事実を考えれば、コンクールの結果だけで演奏家としての価値が決まるわけではありません。

私自身も、そのように考えています。


一方で、コンクールそのものが無意味だとも、決して思いません。

もちろん、賞金や演奏会への出演機会など、目に見えるモチベーションに繋がるメリットもあります。

大きなコンクールで結果を残せば、自分の名前を知っていただくきっかけとなり、その後の演奏活動につながることも少なくありません。


しかし、コンクールの価値は、それだけではないと思っています。


本番までの数か月間、目標を定めて作品と向き合うこと。

何度も練習を重ね、試行錯誤を繰り返し、一つの演奏を磨き上げていくこと。

そして、一度しかない舞台で、自分の実力を表現すること。


その経験そのものが、演奏家として大きな財産になります。


コンクールには独特の緊張感があります。

普段の発表会や演奏会とは違う、「評価される」という空気があります。


その緊張感の中でも自分の演奏ができるように準備をすることで、普段の練習では気付かなかった課題が見えたり、自分の限界を少し超えられたりすることがあります。


コンクールは、演奏家として成長するためのブースターのような役割もあると思います。


もちろん、「結果はどうでもいい」と最初から考えて臨むこととは違います。

出場する以上は、本気で結果を求めて努力する。


その真剣さがあるからこそ、準備の質や強度も変わり、本番で得られる経験にも意味が生まれます。

そして、たとえ思うような結果にならなかったとしても、その努力が無駄になることは決してありません。


審査をしていて一番願うのは、演奏者の皆さんが、この経験を次につなげてくださることです。

点数や順位だけではなく、「また頑張ろう」と思える何かを持ち帰っていただけたら、それほど嬉しいことはありません。

そのためにも、私自身も責任を持って一人ひとりの演奏と向き合い、少しでも前向きな言葉を届けられるよう努力したいと考えています。


……とはいえ、毎回最後には自分のコメント用紙を見て反省します。


しっかりと審査をしなくてはと、毎度思いながら、自らのコメントの字の汚さと語彙力の無さに、教養の低さを痛感しています。


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